昨日は、知り合いのお宅のオープンガーデンへ行ってました。
そこはお庭というにはかなり広い、森みたいな庭。
でもただ草ぼうぼうというわけではなく、何と言うか木も花も草さえも自然に自由にそこに居るという感じ。育つのに邪魔にされない程度にさりげなく手が入っている様子が何より素敵なのです。
今、一番緑のグラデーションが綺麗な時期で、僅かな明度や彩度の違いが重なり、樹々が、葉が、それぞれに自分の良いところを見せあっているような美しさがある庭です。
花も、黄と白の木香薔薇、ナニワイバラが次々と咲いて、クリスマスローズやパンジー、チューリップ、勿忘草、スズラン、他の名前を知らない小さな花もあちこちに散見できます。
特に素晴らしいのが黄色の木香薔薇。5m以上の高木から振るように花をつけているそれを目にするとうっとりです。
新しく建てられた小屋から見る新しい風景は竹や枇杷や蕗が今までとは違う角度から楽しめました。
そして、友人に頼んで、持ってきてもらったティンシャを鳴らすと、響くこと響くこと!
遠く、しっかりと拡がっていくその音がなんとも心地よくて、何度も鳴らしてしまった(笑)
樹々が、興味を持って聞き入ってくれているような不思議な錯覚。
他にも初めてお会いする人も来ていて、タイミングよく絵本も読ませてもらいました。
あの庭ですからそれに似あった選書もまた楽しい時間でした。
「ことりのおさら」
広い庭なので小鳥の声がいつも聞こえるから、小鳥の写真が出てくる絵本を。
絵本に載っていたことりのための水飲むみや、水浴びをするお皿は、やっぱりこの庭にもあるそうです。
「くうき」
まどみちをさんの詩にささめやゆきさんが絵を描いた一冊。
空気は誰かの胸の中にあって出て行く。人も昆虫も海の生き物も皆、この同じ空気を吸っている同じ兄弟・・・という普段は忘れていることを思い出させてくれる本。
「木のすきなケイトさん」
これはこの森の「管理人」であるMさんにぜひ聞いて貰いたかった一冊。
1800年代に初めて女性の科学者が誕生したころ、サンディエゴの街は砂漠のようなところで誰もそこに木が育つなんて思ってなかったところ。でも木が好きな彼女は砂漠でも強く育つ木を植え続けて、いつしか「バルボア公園の母」と呼ばれるようになったという実話。
マットな感じでしっかりと描かれた絵は遠めでも良く見えるし、なによりも木々の下でこの本を読めるというのは、私の幸せでした。
そしてもう一つサプライズが。実は昨日は私の誕生日でした。狙って行ったわけではないのですよ、ほんと(笑)
声くらいは掛けられるかなあと思っていたのですが、なんと友人たちがバースデーケーキをプレゼントしてくれたのでした!!!
そこに居た人全員からお祝いの歌を歌ってもらい、久々にろうそくを吹き消すという、こんな誕生日を近年して貰ったことが無くて、本当に嬉しかったです。
しかも、ぐるりと一周して0歳ですからね。また今日から育つ私ですから(笑)
抱負は?と問われたのですが、今考えると
『そぎ落としていくこと』がキーワドかな。
あれこれたくさんの欲を満たそうと動いて、実際満たされたものもあり、未完成のものもあるけれど、身辺のもっともっとああでなければとかこうであったらとか、そういうものはもういいかな。今のこの身や心についたいろんなものを削ぎ落してさっぱりしていきたいなと、思ってます。
だからやりたいようにやる、したいことをする。できるだけ本当のもの、真のものだけを手にしたい。
こういうことは、最近読んだ樹木希林さんの『死ぬときくらい好きにさせてよ』がとても影響をうけていると感じています。
自分の芯がしんとしていて、それがとても清々しい人だなあと思っている。肚が座っている人だなあ。
さて、この日、ふたつの大きなシンクロがありました。
ひとつは、先ほど出たティンシャです。
遠方から来たその友人に、それを持ってきてほしいと頼んだ返事が「なんだって!ティンシャ持って行こうか、でもそこで鳴らしてもいいか迷ってた!」と言われビックリです。
あれはやっぱり、森が聞きたがっていたのかしらん、と勝手に思ってます。
もうひとつは、絵本の選書。
この「森の管理人」の妹さんもいらしてたのですが、「木のすきな~」の本が前に新聞に紹介されていて、ずっと気になっていたのだそうです。それがここで聞くことが出来たと喜んでもらえました。
不思議なような、必然なような、シンクロでした。
また今月半ばに、香りの高い薔薇の花びらや庭のローズマリー、ヨモギで蒸留水のワークショップがあります。楽しみだなあ。
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